2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「贋物(にせもの)作りの話」

18世紀後半より以後に作られた刀剣を新々刀(しんしんとう)と呼びますが、その中でも名工の誉れ高い大慶直胤(たいけいなおたね)の息子直勝の弟子に、細田直光という刀工がいました。しかし刀剣界ではこの名前ではあまり知られてなく、「贋物造りの鍛冶平」の…

「無銘刀 本当の作者は。小松正宗の話」

『刀剣名物帳』の上巻、正宗の部の筆頭に「小松正宗」という短刀が挙げられています。 製作されたときから無銘(これを生(う)ぶ無銘という)で、長さは九寸七分半(29、3㎝)。名物帳の解説文は現代文になおすと「小松中納言利常公が正宗としてお買いになって、…

「折り紙付き」と「札付き」

折り紙付きと札付き。取り違えそうによく似た言葉ですが、意味はまったく反対です。小学館の『国語辞典』によると、折り紙付きは「確かなものだと、うけあうこと。保証つき」とあり、「札付き」は「わるいと定評のあること、また、その人」とあります。そし…

「消えた名刀」

現在我が国には300万本とも、400万本ともいわれる日本刀があるそうです。たしかに刀剣登録制度ができて70年近くなる今でも、数百本の刀が新規登録されています。膨大な数の中には、国宝や重要文化財に指定されている名刀から、野鍛冶が作ったような鈍刀まで…